【会社設立】LLC・LLPの設立
所有と経営の関係
株式会社では「所有」と経営の分離」すなわち、株主が会社を所有し、経営のプロである取締役に経営を委任していた形になります。これに対して、LLC、LLPではで社員、組合員全員が経営に参加する事が求められております。
人と人とのつながりを重視
LLP・LLC(合同会社)では「お金」だけでなく、「知識」や「ノウハウ」、「技術」、「人脈」、「経験」などの全てが資本となってくるのです。
つまり、たとえ出資額が1円でも、組織にとって重要な役割を果たす人には配当を多くする事ができます。また、そうしたアプローチが組織の活性化にもつながります。
株式会社は”物的会社”と呼ばれ「物」を主体に考える会社です。一方、LLP・LLC(合同会社)というのは”人的会社”と呼ばれ、「人」を主体に考える会社です。
税務上の扱い
LLP組織にはは法人格がありません。ゆえに法人税は課せられません。株式会社等、法人格のある組織はまず、会社で上げた利益に対して法人税が課され、出資者に配当された時点で更に、出資者にも課税されます。
いわゆる二重課税です。 LLPでは事業で上がった利益に対し、組合員に配分された時点で初めて各組員に対してのみ課税がされます。
<LLC、LLPの共通点>
1.有限責任社員である(出資した額の範囲で責任を負います)
2.自由な組織設計が可能です。独自の定款内容を作成し事業目的に合わせた業務遂行が可能です。
これにより利益配分の方法も自由に設定可能です。
3.共同事業性により、原則として出資者税全員が事業に参加することにより構成員がもつ能力を最大限に発揮、同じ目標に対し、協力姿勢が維持されます。
<LLC、LLPの4つの相違点>
1.出資者の呼び方
→LLPでは「組合員」、LLCでは「社員」と呼びます
2.規定されている法律
→LLPは「有限責任事業組合契約に関する法律」が適用され、LLCには「会社法」が適用されます。
3.法人格の有無
→LLPは法人格はありませんが、LLCには法人格があります
4.組織自体への法人税課税の扱い
→LLCでは組織で売り上げた利益に対して、法人税が課せられますが、LLPには法人格が無いため課税されません。また、LLPでは「損出の分配」が行われますが、LLCにはありません。
但し、各組合員への「損出の分配」はその組合員の出資額が上限となります。
<LLCの設立手順>
- 1.社員を決定する
- 2.商号・事業目的・本店住所の決定(類似商号の制約はなくなりました)
- 3.会社の基本事項を決定する
- 4.会社印鑑作成
- 5.定款の作成
- 6.組合契約書の作成
- 7.出資金の払込
- 8.出資金の払込・その他給付手続の完了
- 9.設立登記(管轄法務局に申請します)